Meta Quest 3を買ったので眼内レンズ(ICL)手術を受けてみた話

スポンサーリンク

 

最近、眼球内にコンタクトレンズを埋め込むICL(Implantable Contact Lens)という手術を受けてきたのでレポートします。

Meta quest 3用の後付レンズも買ってみたりしたのですが、眼鏡を付けたり外したりするのはやはり面倒。

XREAL Air 2やVITURE Oneなどの眼鏡型のVRグラスが増えてきましたし、今後は眼鏡ありでは不自由なことが多くなるのではないかと思っています。

いちいち製品ごとにレンズを注文するのも手間なのでICLを受けてみることにしました。

今回は、検査の流れや手術当日の体験、術後の経過などをレポートしていきたいと思います。

※私は医療関係者ではないため記載内容は正しくない可能性があることに留意してください。

ICLとは

レンズシートを角膜と水晶体の間に挿入して視力矯正を行う治療です。レンズの耐久年数は人間の寿命より長く、眼内に埋め込むので一生死ぬまで入れっぱなしでも問題ありません。普通のコンタクトレンズと違ってレンズの洗浄や消毒が必要ないのがメリットです。

レンズシート

角膜を直接削って視力を矯正するレーシック手術と違って、ICLは術後に問題が発生した場合にレンズを抜いて元に戻すことも可能です。

注意点としては、ICLも眼鏡と同じように度数を調整したレンズを目の中にいれるだけなので、近視が進行してしまったら将来また眼鏡が必要になる ということです。

20代以下の場合にはまだまだ悪化する可能性があるため、20代後半~30代くらいが実施するのにちょうどいい時期と思います。

 

検査

眼鏡屋さんでやるような検査に加えてさらに詳細な検査を2日に分けて行います。

電話予約したのですが、人気のクリニックなようで1ヶ月後に受診することになりました。休みの間にやろうと思っているなら早めの電話をオススメします。

ICL手術はレンズシートのメーカーであるSTAARSURGICAL社から承認を受けた医師のみができます。白内障の治療実績が多いクリニックがおすすめです。

屈折検査

レフラクトメーターという機械を用いて測定します。

この機械は眼鏡屋にもあるので見たことがある人は多いでしょう。この画像を出す機械です。

覗いた時の画面

近視、遠視、乱視のある程度の判断はこれで行います。眼鏡の度数を決定したり眼のカーブにあったレンズを選択するために必要な検査です。

既に眼鏡を持っている場合にはオートレンズメーターという機械で眼鏡のレンズの度数を確認して目安にするクリニックもあります。

視力検査

裸眼と眼鏡着用時の視力値を視力計で測定します。

この検査は手術を受ける人の感覚に頼ることになるので2日に分けて2回やります。

ランドルト環

眼圧検査

トノメーターという機械で眼に風を吹き当てて、風圧から自動的に眼圧を測定します。

眼圧とは、眼球内部に存在する眼内液(房水)の圧力のことです。

眼圧

眼球の中は液体(房水)で満たされており、この房水が適切な圧力を維持することで、眼球の形状を保ち、視力を正常に保っています。眼圧が高すぎる状態を"高眼圧症"、眼圧が正常範囲を超えて視神経が障害される状態を"緑内障"と呼びます。

ICLでは眼球の中にレンズシートを入れることになるので、眼圧が上昇します。

※製品改良によってレンズシートに穴が空いた「ホールICL」に変わってから、眼圧の上昇は軽減されたらしいです。

レンズを入れたあとに緑内障になるリスクがある場合、手術ができないためこの検査をします。

眼圧は角膜の上から測定されるため、厚みの薄い角膜の場合、眼内の圧力が過小評価(実際より低く測定)されることがあります。そのためパキメーターという機械で角膜厚検査も行います。

角膜内皮細胞数検査

スペキュラーマイクロスコープという機械で角膜の内側にある細胞の数を確認し、角膜の健康状態をチェックします。

この細胞は眼の透明さを維持する役割を持っていますが、減ってしまうと元に戻りません。

手術をすることによって、この細胞の数が減ってしまうリスクがあるため細胞の数が正常値かどうか、ちょっと減っても大丈夫かを確認します。

前房深度検査

光干渉断層計(OCT)という機械で、目にフラッシュを当てて目の断面図を観察する検査です。

ICLは水晶体と角膜の隙間(前房深度)にレンズを入れるために隙間の確保が必要になり、この検査でICLのレンズが挿入できるかを確認します。

 

隙間が3mm程度必要で、最低でも2.8mmないとレンズが入りません。

 

ここに書いた検査以外にも、必要に応じて角膜径検査、角膜形状解析など、色んな検査をするみたいです。

ICL手術ができると判断された場合にはお金の話に移ります。

費用

値段はクリニックによって違うと思いますが、参考までに今回受けたところの費用をまとめました。国内承認されているレンズか否かで金額が変わって、乱視があると値段が高くなります。国内未承認のレンズの中には軽度の近視に対応するものがあり、検査の結果次第でどのレンズを使うかが決まります。

手術申込金を手術前に払って、それを元手にクリニックがレンズを発注します。

私の場合、実際に払った金額は両目で80万くらいでした。

  手術種類/項目 料金(税込)
ICL(国内承認レンズ) 近視 片眼 330,000円
近視 (片眼のみ) 片眼 341,000円
近視+乱視 片眼 385,000円
近視+乱視 (片眼のみ) 片眼 396,000円
手術申込金 片眼 165,000円
ICL(国内未承認レンズ) 近視 片眼 440,000円
近視 (片眼のみ) 片眼 451,000円
近視+乱視 片眼 495,000円
近視+乱視 (片眼のみ) 片眼 506,000円
手術申込金 片眼 220,000円
ICL(その他) ICL位置補正 無料
ICL位置補正 (他院済行) 片眼 121,000円
ICL抜去 無料
ICL抜去 (他院済行) 片眼 121,000円
ICL交換 (術後6ヶ月未満) 無料
ICL交換 片眼 275,000円
ICL交換 (他院済行) 片眼308,000円
その他 レーザー乱視矯正 片眼 110,000円
レーザー乱視矯正(他院済行) 片眼 220,000円
角膜インレー抜去 片眼 132,000円
病院専用診断書 2,750円
診断書 (生命保険用) 4,950円
領収書証明書 550円

基本的に自由診療なので保険適用外ですが、確定申告をすることによって10万円以上は支払うべき税金から差し引かれてキャッシュバックします。

サラリーマンだとだいたい会社がやってくれるので馴染がない人もいるかもしれませんが、ICLのレンズを作っているSTAARSURGICAL社が確定申告のやり方をまとめています。

レンズの納期

眼内コンタクトレンズのメーカーは定期的に似たような度数のレンズシートをまとめて作成していて、ちょうど売り切れであったり珍しい度数で在庫がない場合には次のロットが作成されるまで1~3ヶ月程度待たされるそうです。

私の場合は在庫が残っていたので検査の結果が分かってから2週間で手術ができました。

 

手術

3日前から処方してもらった朝昼夕夜の1日4回、抗菌作用のある目薬をさします。

手術時間は20分程度ですが、瞳孔を開く目薬の効果が出るまでの待機時間が2時間ほどありました。飲み物を持っていくべき。

 

手術室ではリクライニングチェアに座らされて、まぶたを抑えられ、目に強い光を当てられながら意識のある状態でレンズが挿入されます。

手術中は光の中心を見るように言われて、無心で終わるまでひたすら光を眺めます。

点眼麻酔が効いているため痛みも特になく、術後も痛くありませんでした。

レンズを挿入されている間は光の中心が移動しまくって、見る場所を動かすべきか悩みましたが指示通り光の中心を見続けました。

手術中に見た視界

右目はすぐ終わりましたが左目をやるときにちょっと手こずって軸あってる!?とか言いながらレンズシートごりごり動かされて恐怖でした。

※乱視がある場合にはレンズシートの位置合わせが大変らしい

失敗したのかとヒヤヒヤしましたが問題なく終わったようです。

 

術後の影響

術後の影響をまとめるとこんな感じです。

翌日、3日目、1週間、1か月、3か月、6か月、1年といった間隔で診察を行います。

  手術当日(手術後) 手術翌日
スケジュール

手術後は30分ほど休息してタクシーや電車で帰れます。通常通りの生活に戻れますが、保護メガネの着用が必須です。

翌日から視力検査と眼圧測定をするのでスケジュールを抑えておく必要があります。20分程度で帰れました。

お薬

1~2時間おきに抗菌と炎症を抑える目薬3種類をさします。

抗菌剤の薬も3日分出されます。

朝昼夕夜の1日4回、継続して3種類の目薬をさします。

これは1週間立ってもずっと継続です。

目のケア

目をこすったり強く押さえたりすると傷が開くためお触り厳禁です。

引き続き保護メガネとゴーグルで過ごします。

目ヤニは目薬の効果で雑菌が死ぬので朝起きてもつきませんでした。

シャワー・入浴 ダメです。 首から下は可能です。
洗顔・洗髪 ダメです。 美容院でなら可能と言われましたが、医師からOKが出るまでは自分でできません。私の場合は、術後1週間後くらいでOKもらいました。
お仕事 やめといたほうがいいです。 デスクワークくらいならできますが、できるなら休んだほうがいいです。
力仕事・屋外作業 傷の回復に影響があるため、重いものは持たないようにしたほうがいいです。
化粧・メイク ダメです。

3週間後を目安に可能になります。目の周りを避けて優しめに。

TV・パソコン・読書

手術当日は瞳孔を開く目薬をさすので、効果が切れるまでの数時間はピントが合わせにくいです。

スマホくらいなら見れますががっつりTV,パソコン,読書をしたりすると疲れるので注意。

翌日になると目薬の効果も完全に切れてパソコンも大丈夫になります。

光源を直視するとハローグレアと言われる光の輪っかが見えますが、慣れると気にならなくなります。

飲酒・タバコ ダメです。 3週間後を目安に可能になります。
運転 ダメです。 制限はありませんが、注意が必要です。免許証に「眼鏡等」の記載がある場合には、警察署か免許センターに行って限定解除申請をして視力検査に合格するか伊達メガネがいります。
軽いスポーツ ダメです。 少し汗ばむ程度のウォーキングはOKですが、目に汗が入らないように注意が必要です。
その他 球技、格闘技、水泳、キャンプ、温泉、サウナ等は1ヶ月程度ダメです。

翌日

炎症の影響だそうですが眼に何かが入っている、という感覚があり目が大きく開けませんでした。

視力検査では両目とも1.2で良好な結果が得られました。

視力については術後1週間程度は炎症などで視力が低下するようですが、3ヶ月~1年で更に上がるらしいです。

レンズシートが見えるかなと思って鏡を見てみましたが、外観影響なし。

3日目

3日目は眼圧検査のみでした。

眼に異物が入っている感覚は3日もすると大丈夫になりました。

目も開けるようになってきましたがまだ完全には開けません。

1週間後

見えているから問題なし、ではなくこの1週間が最も大事な時期だそうです。

目薬をさすルーチンも慣れてきて忘れがちですが、継続が大切です。

ようやく洗髪を自分でやってもよくなり、普段の生活にほぼ戻ることができました。

ゴーグルは寝るときだけつけています。

慣れというのは怖いもので、存在しないはずの眼鏡をクイッとしてしまう幻眼鏡<ファントムメガネ>現象に苦しめられています。

 

1ヶ月後

まだ経過していないので、後で追記します。

 

事前用意が必要なもの

保護めがね(サングラス)

保護めがねは事前に用意しなくてはならないのですが、クリアレンズではなくスモークレンズのものがあるといいです。

検査のために瞳孔を開ける点眼薬を使うため、日差しのある時間帯では帰るのが難しくなります。

できれば眼鏡屋で試着してから買ったほうがいいですが、買うとしたらこういうものです。

保護ゴーグル

寝ている間は保護めがねだといつの間にか外れてしまうかもしれません。

寝ている間に触ってしまわないようにゴーグルをつけるのがオススメです。

外で使うにはちょっと目立つので家では保護ゴーグル、外ではサングラスと使い分けをしていました。

玉ねぎを切ったりするときにも便利。

 

以上

圧倒的成長。